凍るよキャブが…悪魔のZ
最近知ったのですが
湾岸ミッドナイトに出てくるZ
ミッドナイトブルーの悪魔のZの事ですが
アニメ版ではブースト圧不明、800馬力
設定がしっかりしていないと思っていたのですが
小説版ではしっかりと設定があって
ブースト圧2.5kg/cm²、700馬力という事になってるという。
3.1L(3.134cc)のエンジンではこの馬力を出せるのはスゴイとは思いますが
問題はブースト圧
大気圧分の1㎏/cm²を引いても1.5㎏/cm²です。
キャブと言う物は、物理的な吸気された空気の流速に従ってジェット類で調整された量の燃料を吹いていますが
ジェットではあくまでも霧、微細な水的な状態に変換するだけであり
ここから燃焼室までの間で蒸発、気化をさせて気体の状態にしないとしっかりと燃えることはありません。
しかし、ガソリンを気化させる。
という事はガソリンからの気化潜熱の大半をキャブレターがもらうという事ですので、キャブレターボディに結露もしくは氷結が起こることがあります。
実車では、1年だけ販売されたキャブターボの初代ミニカ・ダンガンがありますが
あのスパルタンモデルであっても、実はブースト圧は0.25程度ですし
社外のキャブターボキットであっても最大ブースト圧は0.25より少し上程度
これ以上のブースト圧をかけると、揮発するガソリンの量が増えてキャブレターが凍ると言った現象が発生していたようです。
キャブターボでは、ブースト圧0.25が一つの鬼門
メーカー純正が取った安全マージンの一つとして取ることができるのですが
悪魔のZはブースト圧1.5㎏/cm²
季節にもよりますが、最大ブースト圧をかけて、1km走ればキャブに氷結が起こってもおかしくない。
そんな感じの車なんじゃないかと思います。
対策として、キャブヒーターがありますが、どんなキャブヒーター?
と不思議に思ってしまいます。
そして、キャブレターそのものも、割と異常
ウェーバーの45DCDというキャブレターなんですが
アウターベンチュリー、インナーベンチュリー、スロットルの径
どれが45㎜なのかはわかりませんが(基本的にはスロットルの径)
これでは大きさが足りない
径が最大の大きさの55㎜でも足りないと思います。
いくら空気を送ってキャブに押し込んでも
その分の燃料が送れなければしっかりとした燃焼は発生しませんし
年長が薄すぎるので、エンジンそのものが壊れます。
そして、町乗りをしようにも、ガボついて乗れたものではない
そんなエンジンになっていると思います。
やっぱり、漫画世界ってやばいんだなぁっと思いました。
漫画世界の悪魔のZ実際に存在するならちょっとエンジンを見てみたいと思います。
実車でやるなら確実にインジェクション化して
モーテックやLink ECU、パワーFCなどのフルコンで制御して
ようやくまともなエンジンとして機能するかなと言った感じです。
フィーリング云々じゃない、現実的な物理の壁を越えている。
そんな感じのものがバンバン出てくる漫画の世界って
凄いなぁと思いました。やっぱり憧れますね。
今回はこんなところでお開き
それでは