可変リフトカムについて
可変リフトカムと言う物がありますよね。
日本国産メーカーで言うと有名どころでは
ホンダのVTEC、三菱のMIVEC等がありますが
ローカムとハイカムが組み合わされたカムシャフトでロッカーアームを
たたいてバルブの開閉をしているエンジンで
低速回転時ではハイカムを受けるロッカーアームを自由にして
ローカムである一定の回転数まで回し
高速回転時ではハイカムを受けるロッカーアームにシャフトを動かして固定することで
ハイカムを機能させるという。
その切り替わりが起きると
排気音が一気に変わったり、トルクやパワーの変動があるので
高回転まで回す楽しみ、独特なフィーリングが楽しめるので
車においては楽しい!という人が多いのですが
バイクにおいては、トルク変動が発生するとタイヤへの負荷が一気に増えるため
コーナーリング中に発生すると転倒のリスクがあるという事でほぼ廃止されています。
ただ、一部には採用されており
私が所有しているスズキ バンディッド250の中期以降に初採用されており
(私のバンディッド君は前期モデルなので型式、年式的には外れているものの1万回転以降に何か移り変わり的な物が感じられるのでいつの日かヘッドを開けた時に確認してみます。)
スズキが止めた後に
ホンダが採用して、現在はハイパーVTECというバルブ休止の形で存在しています。
(ハイパーVTECは一定回転数までは2バルブ、一定回転数を過ぎると4バルブとして機能します。)
2バルブの方が吸気流速を上げることができるためトルク特性が4バルブより良く
高回転、高速走行では4バルブの方が良いというホンダの研究から生み出されたものです。
ただ、燃焼室の形的には個人的には疑問が残る物ですし
わざわざエンジンの機構を複雑化させるのではなく可変吸気の機構でできたのではと思います。
マツダの連続可変ファンネル吸気システムや日産のシャッターバルブによる可変吸気はバイクにも入れられると思います。
(言っても機構を完全に理解しているわけではないので、入手予定のCB400のエンジンを分解して確かめてみようと思います。)
さて、可変リフトカムに関してのトラブルですが
VTECに関しては壊れるという事はあまり聞きませんが
MIVECに関してはモノによってはカムホルダーが摩耗していくため
新品のMIVEC、劣化して半VEC、死亡して無いBECと移り変わっていくと聞きます。
走行状況にもよりますが、高回転を多用する走りをするならば
10万キロごとにはシリンダーヘッドを交換する必要がある。
と言われるほど減るようです。
そんな可変リフトカムですが、複雑な制御を可能にする
コンピューターと信頼性のある油圧装置のおかげで
連続可変バルブタイミングになったわけです。
VTECを載せていたB16やB18の次のK20はi-VTECとなり
可変バルブタイミングになりました。
まぁ今では
可変リフト+可変バルブタイミングの物になっていますが
全てが連続で可変されているために
エンジンを高回転まで回していったときの切り替わりが感じられなくなっています。
まぁ簡単に言うと、切り替わりが感じにくい面白くないエンジンが多くなってきているというわけです。
まぁ、環境規制と言う物が世の中にあり、燃費を気にしないフィーリング至上主義の概念が取り払われ、燃費至上主義の世の中である以上
そういった物しか作れないというのがあると思います。
それでも今でも面白い機構は生まれており
アメリカのOHVのエンジンでは
可変プッシュロッドのエンジンが出てきていたりしていて
油圧制御でプッシュロッドの長さを調整するという
そういう機構があるようです。
機構的には、面白いのでこれは見てみたいという感じです。
アメリカのメーカーがこだわり続けるV8
OHVのエンジンにはある種の狂気を感じるレベルですごいと思います。
アメリカのV8であるクロスプレーンのクランクとOHVから一気に鞍替えして
ヨーロッパのテイストを持ち込んできたフラットプレーンのクランク+DOHCという
アメ車らしからぬ構造の自然吸気という
ただ、フェラーリは自然吸気をやめましたし
フラットプレーン、DOHCの自然吸気エンジンと言う物はもはや希少です。
それを今までやっていなかったアメ車がそんなことをするのは驚きです。
まぁ最近のアメ車も直4のダウンサイジングエンジンを作っているので
環境対策と言う物は難しいと言わざるを得ないと思います。
ただ、無限生産可能な代替燃料が生産されるようになれば
無駄の多いエンジンで遊ぶという事もできるようになるので
積極的にやってほしいなぁという所があります。
それでは