固定式ベンチュリーVS可変ベンチュリー
世の中にあるキャブレター
その種類は大別して2つに分けられるのですが
キャブレターの構造の中でベルヌーイの定理という物理現象が働く部分
それがベンチュリーです。
まぁそんなところで、このベンチュリーが
構造的に動かないのが固定式ベンチュリー
ワイヤーやエンジンからの負圧的などでベンチュリーを可変させるのが
可変ベンチュリーです。
固定ベンチュリーのキャブレターのメーカーは有名どころでは
フランスのソレックス、イタリアのウェーバー、アメリカのホーリー、日本のOER等々
可変ベンチュリーのキャブレターメーカーは有名どころでは
イギリスのスキナー・ユニオンをはじめとして
イギリスのゼニス日本のケイヒン、ミクニ、日立、ヨシムラ等が知られているかと思います。
さて、そんなところで
固定式VS可変式の戦いと行きたいわけですが
どの分類で戦うか…という感じになるんですが、
対応範囲と構造の簡素さ、調整、の3つの部分
で私なりの解釈で戦わせていこうかと思います。
さて、対応範囲に関しては可変式の方に軍配が上がります。
安定駆動させること、安定的に大量の燃料を送り続けることに関しては
固定ベンチュリーのキャブが良いのですが
可変式のキャブはジェットニードルの上がり下がりで吹く燃料の量が変わるので細やかな調整ができるんですよね。
これがメリットで一昔のハーレーや、大排気量のバイクのように
低回転でのトルクがあるほぼほぼ安定稼働エンジンの場合は固定式のキャブでも動くのですが
バイクや車に関しては排ガス規制があって、空燃比はできるだけ下げる必要
(空気:ガソリン 14.7:1に限りなく近いものにする必要)があったので
対応範囲が広い可変式キャブレターが必然的に採用されました。
バイクに関しては、バンディッド君を例にすると
アイドリングの1000回転から常用の8000回転、全開の16000回転まで
エンジンが使用される回転数の幅が広いので細かな制御が必要です。
固定式のキャブではそういった細かな制御ができず
全開の時にガソリンを大量に吹くのが固定式のキャブの仕事の仕方です。
エンジンの負圧やニードルの引き量などから必要なだけガソリンを吹くのが可変式キャブレターの仕事の仕方
と私はとらえています。(あくまで個人の感想です。)
まぁキャブレターの奥深いところで
調整の仕方でガラっと様相が変わってしまうのであくまでも個人の感想という事です。
構造の簡素さには固定ベンチュリーの方に軍配が上がります。
単気筒の固定ベンチュリーの農業用エンジンのキャブとスーパーカブの可変ベンチュリーのキャブを比べると
可変ベンチュリーのキャブの方が部品点数が多いです。
そもそも、動く部分が少ないので部品が少ないのは当たり前です。
構造が簡単なので、簡単にいじることができますし
ガソリンを吹く量を調整するニードルが無いので
2バレルの固定式ベンチュリーを持つキャブであれば
フロート室をバレルの真ん中においたりできます。
なので、ジェットの交換が簡単にできるというメリットがあります。
そして、部品も物によりますが、手に入れることが簡単です。
ソレックスは、本社は潰れていますが使っている人はいますし
新品は手に入りませんが、調整部品は今でも手に入ります。
調整の容易さでは固定ベンチュリーに軍配が上がります。
可変式ベンチュリーのキャブは、ジェットニードルがフロート室のガソリンの中に浸かっていないといけないのですが、
固定式ベンチュリーであれば、スロットルバルブの開き量と
エンジンの負圧のみで燃料を引き込むので簡単です。