キャブレターは熱すぎても冷えすぎてもダメ
キャブレターと言う物がありますよね。
このキャブレターと言う物はガソリンを霧化させてる装置です。
ベンチュリ効果とベルヌーイの定理を使って、ガソリンを霧化させる機械ですが
このキャブレター
だいたいの人は知ってると思いますが
熱くなりすぎても冷えすぎてもダメなんですよね。
ちょっと話がそれますが
そもそも、キャブレターは、ガソリンを霧化させる装置とされていますが
霧化(霧)と言う物は
微水滴が空気中に多数存在している状態のことなんですよね。
この水滴と言う物(水)の状態では、火にかけたとしても燃えることはありません。
いやいや、「液体のガソリンに火を近づけたら燃えるじゃん」
と言う人がいるかもしれませんが
それは、ガソリンがガソリンの引火点となる温度を超えているからです。
引火点と言う物は、
物質が揮発して空気と混ざり可燃性の混合気を作ることができる最低温度です。
通常の状態でガソリンにマッチを突っ込むとガソリンの液面で可燃性の混合器が作られているので、それが燃えることで炎が上がりますが
ガソリンは、マイナス40度程度から上の温度が引火点となっています。
という事は理論的にはマイナス40度以下の極寒の中でガソリンに火のついたマッチを投げ込んでも燃えだすことは無いという事です。
話を元に戻して
物質には3つの状態があることを小学生くらいの理科の授業で習ったと思います。
個体、液体、個体の三つですね。
この三つの状態の変化にはそれぞれ名前がありますがそんなことはどうでも良いとして
まぁ液体の状態では、燃えることは無いと思ってください。
その中で、キャブレターは、ガソリンを微細な水滴にする。(小さくすること)
で、気化させやすくする装置です。
気化するという事は、ガソリンによる気化潜熱が発生します。
気化潜熱が発生すると冷えるんですよね。
夏に打ち水をやると冷えるのと同じような感じです。
さて、この気化潜熱、キャブレターの中で発生し続けると
気体の中に存在している水蒸気が液体になる液化する温度に達することがあります。
真夏でも渋滞することなく走り続けていれば、キャブレターの表面に水がつくくらいに冷えることがあります。
しかし、そのまま液体が固体になる点(凝固点)になると
キャブレターの中のベンチュリやスロットル付近で発生した水が凍りだします。
まぁ氷が発生するという事です。
このことを、キャブレターのアイシングと言い
キャブレターの中で氷が発生すると、ガソリンをうまく送ることができなくなって
エンジンが不調になり、そのまま止まることもあります。
この現象は、強い負圧を発生させるエンジンほどひどくなります。
ついでに、発生する時期は、冬から初春、秋の終わりごろです。
対策として、アルミボディのキャブを作ったり、冷却水の一部をキャブボディに流す、吸入空気を温めると言ったようなことがされています。
これが、キャブレターが冷えすぎた時の場合と、対策方法です。
次は、キャブレターが熱すぎる時のことです。
キャブレターが熱すぎるというか、気温が高い現代
特に渋滞にはまったような場合だとよく起きます。
現在のコンクリートジャングルの日本だと起こりやすい現象で
キャブレターが熱によってガソリンが熱くなりすぎることがあります。
ガソリンの沸点は30℃から180℃で
ガソリンがこの温度以上になると、
燃料タンクからキャブレターまでの配管の中でガソリンが気化して詰まったり
フロート室内のガソリンが少なくなったりベンチュリ付近から泡だったガソリンが出てきたりという事が起きます。
この現象をパーコレーションと言い、現代ではアイシングよりも起きやすい現象だと思います。
対策としては、
キャブレターへの通気性を上げる。燃料通路とフロート室の温度をなるべく低温にする。遮熱カバーを付ける。
などがあります。
まぁ実際にパーコレーションが発生した場合は、と言うよりも
発生しないように努める必要がありますが
パーコレーションが発生した場合は
路肩に寄せて一度エンジンを吹かして止め、温度が冷えるのを待つのが良いと思います。
ガソリンが温まっているだけなので、冷えているガソリンをキャブに少しだけでも入れて、路肩で冷えるのを待つようにしましょう。
一度止めると、冷えるまで待たないとエンジンが始動しにくくなるので
止めていても怒られない場所に止めるようにしましょう。
渋滞時にパーコレーションが発生してしまった場合も
このような対処をする以外にないので、周りの人に頭を下げて
車をできるだけ路肩に寄せて、止めるしかないので
できる限り渋滞にはまらないようにしましょう。
さて、今回はキャブレターは熱すぎても冷えすぎてもダメという事でした。
それでは